エムポックス関連株が注目される理由
最近、エムポックス（旧・サル痘）ウイルスが再び急速に拡散しており、世界保健機関（WHO）がエムポックスに関して国際的な公衆衛生上の緊急事態（PHEIC）を宣言しました。
また、韓国でも感染者が報告されており、再びコロナのようなパンデミックが来るのではないかという恐怖が広がっています。エムポックスに関する詳細は別の投稿でまとめてありますので、そちらもご参考ください。
（リンク）エムポックス (MPOX) の世界的な拡散!! 第2のコロナか？
これにより、エムポックス関連株が再び注目されています。特に、エムポックスのワクチンや治療薬を開発・製造している製薬会社が大きな関心を集めており、ワクチン供給の拡大や新たな契約締結などで株価が急騰しています。
コロナ禍でも同様の状況を経験したため、今回も似たような関心が集まるのではないかと思います。それでは、エムポックス関連の米国株7銘柄を選定し、それぞれ詳しく見ていきましょう。
エムポックス関連株7銘柄の概要
| 銘柄名 | ティッカー | 現在の株価（2024/8/16） | 前月比 | 簡単な概要 |
|---|---|---|---|---|
| Bavarian Nordic | BAVA | $257.50 | +20% | エムポックスと天然痘予防ワクチン「Jynneos」の製造元。最近、米国政府との大規模契約を締結 |
| Emergent BioSolutions | EBS | $9.12 | +15% | 生物防衛と公衆衛生上の脅威に対応するワクチンおよび治療薬の製造元。エムポックスワクチンを製造 |
| SIGA Technologies | SIGA | $5.50 | +18% | ウイルス性疾患の治療薬を開発し、特にエムポックスの抗ウイルス剤「TPOXX」の製造元 |
| Tonix Pharmaceuticals | TNXP | $0.70 | +10% | 免疫学および感染症治療薬を開発しており、エムポックスワクチンを開発中 |
| Chimerix | CMRX | $1.02 | +8% | 抗ウイルス治療薬の開発会社で、エムポックス治療薬を開発中 |
| GeoVax Labs | GOVX | $0.78 | +12% | 感染症予防ワクチンの研究開発企業で、エムポックスワクチンを開発中 |
| SIGMA Pharmaceuticals | SPH | $6.45 | +11% | エムポックスウイルスに対応するワクチンおよび治療薬を研究するバイオ製薬会社 |
エムポックス関連株7銘柄の詳細説明
1. Bavarian Nordic（BAVA）
企業紹介:
Bavarian Nordicは、デンマークのコペンハーゲンに本社を置くグローバルなバイオ製薬会社で、感染症予防ワクチンおよび免疫療法の専門開発を行っています。
1994年に設立され、主にウイルス性疾患に対するワクチンを開発しており、特に天然痘およびエムポックス予防用の「Jynneos」ワクチンでよく知られています。
このワクチンは、米国食品医薬品局（FDA）、欧州医薬品庁（EMA）、カナダ保健省、英国医薬品および医療製品規制機構（MHRA）など、複数の国の規制当局から承認を受けています。
Bavarian Nordicは、米国政府と緊密に協力してバイオテロ対策および公衆衛生の脅威に備えたワクチンを提供しており、この過程で多数の主要な契約を締結してきました。
エムポックス関連株に分類された理由:
Bavarian Nordicは、エムポックスおよび天然痘予防のための「Jynneos」ワクチンの唯一の製造元であり、最近のWHOのエムポックス緊急事態宣言後、ワクチン供給の需要が急増しており、関連株として注目されています。
2024年8月、米国政府との間で1億5680万ドル規模の大規模契約を締結しており、この契約は米国のワクチン在庫を補充するためのものです。
この契約は、エムポックスワクチンの大量生産および世界的な供給を促進しており、Bavarian Nordicはエムポックスの拡散に伴うワクチン供給の中核企業として位置づけられています。
また、同社はエムポックスが流行した2022年にも米国と緊密に協力し、大量のワクチンを供給した実績があり、今回も主要な供給者としての役割を強化しています。
2. Emergent BioSolutions（EBS）
企業紹介:
Emergent BioSolutionsは、1998年に米国メリーランド州で設立された製薬およびバイオテクノロジー企業で、生物学的脅威、感染症、公衆衛生の問題に対応するためのワクチンおよび治療薬を開発しています。
この会社はバイオテロ対策と公衆衛生の脅威に対する対応ソリューションの提供に重点を置いており、FDA承認製品を含むさまざまな生物防衛用ワクチンを保有しています。
Emergent BioSolutionsの製品群には、炭疽菌、天然痘、エムポックスなど、さまざまな生物学的脅威に対応するワクチンおよび治療薬が含まれており、米国政府および国際機関との協力を通じて、大規模な契約を受注してきました。
エムポックス関連株に分類された理由:
Emergent BioSolutionsは、エムポックス予防のためのワクチンを含む、多くの生物学的脅威に対応する製品を製造しています。
同社は特に生物防衛と公衆衛生の脅威に対応する製品開発に特化しており、エムポックスのような感染症が拡散するたびに関連株として浮上します。
WHOがエムポックス緊急事態を宣言する中で、同社のエムポックスワクチンの生産能力と既存の公衆衛生契約が再評価され、株価が上昇しています。
Emergent BioSolutionsは、近年エムポックス対応のための研究開発（R&D）および生産を強化しており、これによりエムポックス関連の主要株として位置づけられています。
3. SIGA Technologies（SIGA）
企業紹介:
SIGA Technologiesは、1995年に米国ニューヨークで設立された製薬会社で、致命的なウイルス性疾患を治療する抗ウイルス剤の開発に注力しています。
この会社の主要製品は、「TPOXX」（SIGAのST-246）という抗ウイルス剤で、天然痘およびエムポックスのような致命的なウイルス感染症の治療を目的に開発されました。
TPOXXは、FDAによって承認された最初の経口抗ウイルス剤であり、天然痘だけでなくエムポックスに対しても治療薬として承認されています。
SIGAはTPOXXを含むウイルス性疾患治療薬の研究開発（R&D）に多大な資源を投入しており、これにより米国および国際的な公衆衛生の脅威に
対応する重要な役割を果たしています。
エムポックス関連株に分類された理由:
SIGA Technologiesは、エムポックスのようなウイルス性疾患の治療薬としてTPOXXを開発し、FDAの承認を得たため、エムポックス関連株として分類されます。
最近のエムポックス拡散により、TPOXXの需要が急増しており、SIGAはこの製品の供給を通じてエムポックス治療の重要な役割を担っています。
WHOのエムポックス緊急事態宣言後、SIGAはTPOXXの生産を拡大しており、これは世界的なエムポックス対応において重要な貢献をしています。
同社はまた、さまざまな政府との契約を通じてTPOXXを供給しており、それに伴う売上増加が期待されています。
4. Tonix Pharmaceuticals（TNXP）
企業紹介:
Tonix Pharmaceuticalsは、米国ニュージャージーに本社を置くバイオ製薬会社で、感染症および神経精神疾患の治療薬を研究開発しています。
Tonixは免疫学および感染症に対する革新的な治療法の開発に注力しており、特に人体の免疫システムを活用した治療薬の開発に力を入れています。
この会社は、多数の感染症ワクチン開発プログラムを運営しており、現在はエムポックスワクチンを含む新たな感染症対応ワクチンを開発しています。
Tonixは、さまざまな臨床試験段階でワクチン候補群を評価しており、それによって次世代のワクチン開発をリードしようとしています。
エムポックス関連株に分類された理由:
Tonix Pharmaceuticalsは、現在エムポックスワクチンの開発に注力しており、これによりエムポックス関連株として注目されています。
同社はエムポックス拡散に対応してワクチン開発プログラムを加速しており、特に人体の免疫反応を誘導する革新的なワクチン開発を目指しています。
Tonixは、エムポックスワクチンの臨床試験段階に入り、投資家の関心を引きつけており、成功した臨床結果に基づいて、将来的にはエムポックス対応の主要企業として浮上する可能性が高いです。
同社はまた、エムポックス以外にも複数の感染症に対するワクチンおよび治療薬を開発しており、公衆衛生の脅威に対する重要な役割を果たしています。
5. Chimerix（CMRX）
企業紹介:
Chimerixは、2000年に設立された米国のバイオ製薬会社で、抗ウイルス薬および抗がん剤の開発に注力しています。
同社は感染症およびがん治療薬の開発において革新的なアプローチを採用しており、特に致命的なウイルス性疾患に対する治療薬の開発に焦点を当てています。
Chimerixは、広範な抗ウイルス薬ポートフォリオを保有しており、世界中で感染症の脅威に対応するための重要な研究開発（R&D）プロジェクトを進めています。
同社は、FDA承認製品を通じて、天然痘およびエムポックスのようなウイルス疾患に対する治療オプションを提供しています。
エムポックス関連株に分類された理由:
Chimerixは、エムポックス治療薬を開発中の会社であり、これによりエムポックス関連株として注目されています。
最近のエムポックス拡散により、治療薬開発への関心が高まり、Chimerixの抗ウイルス薬ポートフォリオが再評価されています。
同社は特にエムポックスウイルスに効果的な治療薬の開発に注力しており、臨床試験を通じてその効果を検証しています。
Chimerixはまた、米国政府と協力して公衆衛生の脅威に対応する治療薬を供給しており、将来的にはエムポックス治療薬市場で重要な役割を果たすと期待されています。
6. GeoVax Labs（GOVX）
企業紹介:
GeoVax Labsは、米国アトランタに本社を置くバイオ製薬会社で、主に感染症予防ワクチンの開発に注力しています。
1992年に設立されたこの会社は、人体の免疫システムを活用したワクチン開発に焦点を当てており、特に高リスク群を対象とした感染症予防ソリューションの提供に強みを持っています。
GeoVaxは、臨床試験で実証された技術プラットフォームを基にワクチンを開発しており、特にHIV、ジカウイルス、エボラ、そして最近ではエムポックスのようなウイルス性疾患に対する予防ワクチンの開発に注力しています。
GeoVaxのワクチン開発は、高度に革新的なウイルスベクターシステムを使用して免疫反応を誘導しており、これらの技術はさまざまな感染症予防において潜在力を発揮しています。
エムポックス関連株に分類された理由:
GeoVax Labsは、エムポックスの拡散に対応するため、エムポックス予防ワクチンの開発を積極的に推進しており、これによりエムポックス関連株として注目されています。
特に同社は、現在エムポックスワクチンの臨床試験を進めており、このワクチンが成功裏に商業化されれば、GeoVaxはエムポックス対応の中心企業として位置づけられると期待されています。
WHOがエムポックスを国際的な公衆衛生上の緊急事態に指定したことで、世界的にエムポックス予防ワクチンの需要が急増しており、GeoVaxはこの需要に応えるためにワクチン開発を加速しています。
同社の技術プラットフォームは、さまざまな感染症に対応する能力を持っており、今後もエムポックスだけでなく、他のウイルス性疾患予防においても重要な役割を果たすことが期待されています。
7. SIGMA Pharmaceuticals（SPH）
企業紹介:
SIGMA Pharmaceuticalsは、バイオ医薬品の研究開発に重点を置いたグローバルな製薬会社で、さまざまな感染症に対応するワクチンおよび治療薬を開発しています。
同社は新薬開発から臨床研究までの全プロセスを統合的に運営しており、特に感染症などの緊急な公衆衛生の脅威に迅速に対応する能力を持っています。
SIGMAは、さまざまな感染症に対するワクチンおよび治療薬を研究しており、これを通じてグローバルなヘルスケア市場で重要な役割を果たしています。
特に同社の研究開発チームは、最新のバイオテクノロジー技術を活用して高効率のワクチンを開発することに注力しており、この技術力はSIGMAを先導的なバイオ製薬会社に位置づけています。
エムポックス関連株に分類された理由:
SIGMA Pharmaceuticalsは、エムポックスウイルスに対応するためのワクチンおよび治療薬を開発中であり、これによりエムポックス関連株に分類されています。
WHOがエムポックス緊急事態を宣言する中で、SIGMAのエムポックスワクチン開発プログラムが大きく注目されており、同社はこれを通じて世界的なワクチン供給に貢献する計画です。
SIGMAはまた、政府およびグローバル機関と協力してエムポックス拡散防止のためのワクチンおよび治療薬の開発を加
速しており、臨床試験を通じてワクチンの安全性および有効性を証明しようとする努力を続けています。
これらの開発努力は、SIGMAをエムポックス対応の主要なプレイヤーにし、同社の市場価値および株価にも好影響を与えています。